自分を時代に合わせるか、時代を自分に合わせるか

2019.10.02 Wednesday

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    リノベーション現場で各業者さんとの打合せのため、

    現場に向かった。

    建築主にも足を運んでもらって

    現状を一緒に確認してもらった。

     

    床下地を張り、構造検討に基づいて必要な個所の補強等を始めている。

    サッシも全て交換するということでサッシ枠が一部納品されていた。

    建築主にも現場を確認してもらいながら、

    前回に現場で説明した内容からさらに細かく説明したい内容等を説明し、

    今後の工事の方向性を決めていった。

     

    かんなで木材を削った屑。

    業者打合せや建築主との打合せの後、

    現場監督と話していたが、

    今回現場を担当してもらっている大工さんは親子である。

    主に力仕事は息子さん、

    指示を出したり、統括しているのはお父さん、という感じである。

    お父さんの方は高齢だが、この方が担当大工で良かったと話をしていた。

    今の家はプレカット工場で木材はほぼ全て加工してしまって、

    極端に言うと現場でそれを組み立てるだけのイメージである。

    昔のように現場で丸太を削って、仕口を検討しながら考えたりということはほぼない。

    以前に大工の社長の家を担当した時は手刻みで躯体を組み上げたが、

    そんな経験は今までもその1軒だけであるし、

    今後もほぼないぐらいの貴重な経験で今でも感謝している。

    そして、今回は築40年の家なので、

    今の家とは異なり、水平垂直もある意味、いい加減であるし、

    通りも通っていない部分もある。

    今の家のようにただ組み立てれば良いという訳にはならない。

    現状の梁の反り具合に合わせて下地を組む必要もあるし、

    通りが通っていない所も微妙に調整しながら工事を進めていく必要がある。

     

    大工さんの仕事一つ考えてみても以前に比べれば

    高度な技術がなくとも大工仕事が可能になってきている。

    さらに近い将来は大工という職業ではなく、

    単に組み立てる人という枠組みになるかもしれない。

    設計も昔は全て図面は手書きだった。

    私が設計を始めた頃にCADが主流になり、

    今は手書きで図面を書く設計事務所なんてあるんだろうかという感じである。

    さらに3DのCADであるBIMが徐々に浸透し、

    おそらく近い将来はBIMが主流になりそうな流れである。

    どんな仕事でも技術や時代が進展する以上、

    それに自分を合わせて行く必要がある。

    そうしないと時代に取り残されていくだけだと思う。

    ただ、反面、1周回って時代が自分に合ってくることもあると思う。

    今回の大工さんの昔ながらの技術は今では少数派なのかもしれないが、

    この技術がないと対応できない部分が多々あると思う。

     

    私も設計者として、自分を時代に合わせつつも、

    時代を自分に合わせることができるように日々の努力が必要だと思う。

    新しい技術や考えを吸収しつつも、

    手を動かして図面を書いたり、過去の建物から学ぶ気持ちを忘れず、

    一日一日を大切にしていきたいと思う。

     

    構造に関しての現場打合せ

    2019.09.23 Monday

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      またまたリノベーション現場。

      リノベーションは解体して初めて状況が把握できる。

      新築の場合は更地になった土地が敷地であり、

      計画初期段階からいろんなことを考えながら計画できるが、

      リノベーションはある程度、当たりを付けながら計画していき、

      解体して初めて敷地を見るようなものだから、

      どうしても手戻りが出てくるし、現場をずっと留めておくこともできないので、

      常に時間がない。

      この2週間は2,3日に1回ペースで現場へ来ているが、

      ここが勝負所なので、手を抜かずしっかり検討と行動をしていく。

       

      現場に資材が運び込まれていた。

      この日は現場監督や大工さんと構造補強の内容に関して打合せを行った。

       

      シロアリに食い荒らされていた水廻りの土台を撤去し、

      新設のヒノキの土台を入れ替え。

       

      この日の打合せでは一番年長者の大工さんを中心にいろいろと

      計画内容の打合せを進めたが、やはり経験者は頼りがいがあり、

      いくつか悩んでいた内容や最善の策としてどうすれば良いか等を

      説得力ある話をしてくれた。

      最終的には私から建築主に説明して、どうするかが決まるが、

      建築主、設計者、施工者、それぞれが最終の完成形を目指して

      それぞれがすべきことをしっかりしていけば、

      それぞれが納得のいく完成形へとたどり着くはずである。

      設計者は全体の責任者であり、橋渡し役でもあるから、

      その役割をしっかりと果たして行きたい。

      現場での説明

      2019.09.20 Friday

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        リノベーション案件で先日構造設計者と打合せした内容で検討し、

        図面を作図した。

        その内容を建築主に現場まで足を運んでもらって現場説明を行った。

         

        浴室部分の土間打ち。

        元々、土のままになっており、周辺の土台はシロアリに食い荒らされていた。

        今回、乾式のユニットバスを設置し、土間も打ったので、

        今後、シロアリに食い荒らされることもなくなるだろう。

         

        通気口部分の補修の様子。

        外部に面した開口部分は木造以外の構造も同じだが、

        開口の4隅に力が加わり易く、クラックやひび割れが生じやすい。

        その割れている所から水が侵入し、より被害を大きくする。

        今回はクラック部分は補修するまではないと判断し、

        ひび割れが生じている部分をモルタル補修することとなった。

         

        柱に4方向から梁が取り付き、一番大きな梁の下部はめり込みが生じている。

        この部分は既存の躯体のまま行く予定だが、

        梁が柱にめり込んで、見るからに厳しい様子なので、

        今後なんらかの補強を行う予定である。

         

        建築主にこの躯体が現しになっている状態で

        今後の構造補強に関して現場で概要を説明した。

        構造の内容は特に専門的な内容だから

        おそらく内容はほぼ伝わっていないに等しいのかもしれないが、

        それを踏まえた上でもこれから住む家の状態を実際に見てもらうことが重要だった。

        内容は伝わらなくとも、この構造補強が重要でそれに対して

        いろいろと検討し、対処しようとしているこちらの姿勢は伝わるはずだと思う。

        ここ最近の出来事で設計者の考えている内容は思った以上に

        建築主には理解しにくかったり、伝わりにくいことは分かったが、

        それでも伝わらないなりにこちらの気持ちや姿勢は伝えていくべきというのは変えたくないと思う。

        設計者の思う、当たり前の積み重ねが設計の本質だと思うからである。

         

        建築主との打合せの前に現場監督と軽い打合せを行った。

        現場監督が打合せをしながらメモをしていたが、

        メモを取らない現場監督の方が多数派だと思う。

        設計者もそんな当たり前のこと、原理原則を大切に設計を行っていきたいと思う。

        今日で三日目

        2019.09.12 Thursday

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          JUGEMテーマ:建築・設計・デザイン

          リノベーション案件で一昨日は建築主と打合せ、

          昨日は施工者と現場打合せ、今日は構造設計者と現場打合せを行った。

          三日連続の打合せや検討であるが、完成時期や施工者の段取りを考えると

          焦ることなく急いでいく必要がある場面である。

          意匠設計者である私からしてもいくつか構造的に悩む部分があったので、

          いつも依頼している構造設計者にも現場へ来てもらって、検討、打合せを行った。

           

          1階柱と2階柱位置がずれており、

          梁もそれに合わせて通りが微妙にずれている。

           

          中央の柱に4方向から梁が取り付いている。

          構造設計者と力の加わり方を既存構造と計画構造とを照らし合わせながら、

          屋根→2階→1階→土台、とそれぞれ検討していった。

          本当は屋根荷重から土台までできる限り、垂直に力がかかっている方が

          構造的にはシンプルで強いが、検討し始めると何か所かはあみだくじのように

          複雑に力が行ったり来たりに加わっていることが分かってきた。

           

          木造の耐震補強は規定があるので、

          それに則って検討していけば一応は対処できる。

          ただ、それはあくまで数字上の話で

          構造的なバランスがより重要だと思う。

          熊本地震で耐震等級3の住宅が倒壊したのが良い例である。

          最近は古い木造の建物をリノベーションして

          カフェや店舗に再利用している例も多くあるが、

          多くの例が見るからに地震が来ても大丈夫かなと思えるような感じで、

          耐震補強すらしていない案件も多いように思う。

          ウィトルウィウスの「強・用・美」ではないが、

          建築はただ見栄えが良いだけでも良くないし、

          構造的に強いからと言って、柱や壁が多い、四角い箱を作れば良い訳でもない。

          また、使い勝手が悪くても良くない。

          それらのバランスが良くて、初めて良い建築だと思う。

          「強・用・美」よりもさらにコストの要素も重要である。

          コスト度外視ならどうとでもできるだろうが、

          そんな案件はあり得ない。

           

          構造設計者と現場打合せして、検討すべき内容がはっきりしてきたが、

          だからこそ悩む内容も増えた。

          だが、ここでしっかり悩むことがこの建物にとって

          より良いことだと信じて、しっかり検討したいと思う。

          シロアリ被害

          2019.09.11 Wednesday

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            リノベーション現場の最後の内部解体部である、

            水廻りの解体が終わった。

            ただ、心配していたシロアリの被害があった。

             

            シロアリ被害のある土台部分。

            シロアリの被害は今までに何度か見たことがあるが、

            水廻りの土台部分はかなり被害がひどかった。

            施工者に聞く限りは水廻りの土が多めに盛っていたとのことで

            基礎高さはそれなりにあるが、湿気た土が土台に近かったため、

            被害が拡大してしまったようだ。

            土台部分は交換する必要が出てきてしまった。

             

            防蟻処理の様子。

            今日は早速、防蟻処理の工程を行っていた。

            通常、地面から1m前後を防蟻の薬剤を塗布する。

            今回は水廻り以外は特にシロアリ被害は見られなかったが、

            念には念をで、建物の全体的に念入りに、かつ、水廻り周辺は

            1m以上の所まで防蟻処理をしっかり行ってもらった。

             

            明日は構造設計者を交え、現場で構造の確認を行う。

            次の40年もしっかり堪えてもらうために

            設計者としてできる限りのことをしっかり実行していきたいと思う。