プロポーザル結果を見ていて

2019.03.20 Wednesday

0

    去年提出していたプロポーザルの最終結果が2件とも出ており、

    最優秀賞をとった案も画像が添付されていたので、

    それらを拝見していた。

    そのプロポーザル結果を見ていて

    正直、「これかー」というのが感想だった。

    最優秀賞をとっていない人間が何を言っても負け惜しみだが、

    確かにグラフィック的にきれいでなんとなく良さそうな雰囲気だが、

    実際にそれが完成した時のことを想像した時に

    なんとなく気分が湧き上がってくるような気持ちにならないことが想像できた。

    以前に提出したプロポーザルでも同じ印象のものがあり、

    実際に完成したものを見に行ったこともあるが、

    それも想像した通りの完成状況だった。

    建築やデザインは流行りやその時にそれを評価する人の主観に左右されるし、

    万人が納得することなんて理屈上、あり得ないのだから、

    それはそれでしょうがないのかもしれない。

     

    ただ、そのプロポーザル結果を見ながら今回初めて思ったことがある。

    今までいくつかプロポーザルを提出してきているが、

    改めて自分の案を考えた時に

    いつも提出した直後は仕上りが不十分ではないか、とか、

    もっと良い案があったのではないか、等と考えたりする。

    その提案しているものに対する自分の不十分さを責めたりしていた。

    でも、自分で改めて自分の案を見て、他の賞をとった案と比較する中で

    意外ときちんと案を検討し、また何を伝えたいかが煮詰められていているように自分自身で思った。

    また、私が設計上、目指している方向性を自分の案の中に見たような気がした。

    この感覚は今までなんとか提出したいと思うプロポーザルをどうにかこうにか提出してきたから、

    感じとれる感覚なのかもしれない。

    やはり何事も必死に考え、

    そして、継続していくことでいろんなことに

    気付く機会を得られるのかもしれない。

    ようやく着工

    2019.03.16 Saturday

    0

      建築主とお会いしたのは一昨年の冬。

      当初から建物が建つかどうか分からないぐらいに

      かなり厳しい予算でのスタートだった。

      概算見積を実際に作成してもやはり厳しいと判断して、

      この仕事のお断りを申し出たこともあった。

      建物が特殊建築物である福祉施設なので、

      私としてもぜひ設計したいと思っていたが、

      全ては予算ありきの話なので、仕方がないとも考えた。

      それでもやり取りの中で信頼して頂いて、

      なんとかこの計画を進めてほしいとお願いされ、今に至る。

      予算もさることながら、申請や届出も全部で6つぐらい提出しただろうか。

      特に開発届出は途中、近隣マンションの理事会の引継ぎがあったり、

      役所の一貫しない指示ややり取りで右往左往し、

      下りるまでに約8か月かかった。

      寒い日も暑い日も各理事会の方にお会いしたり、

      説明会を行うために近隣マンションへ足を運んだ。

      ようやく開発届出や確認申請が終わって

      着工準備をしていこうかとすると、

      開発届出に関わる工事金額が建物予算の2割以上かかることになり、

      そもそも着工ができない可能性が高まった。

      ただ、建築主もいろいろと試行錯誤して頂いて融資の目処が立ち、

      着工することになった。

       

      地縄張りと遣り方の様子。

      今日は午後から現地で建物配置位置等を確認した。

      現地でいろいろと確認し、

      建築主からの質疑に応答して来週から着工していくことで

      建築主、設計者、施工者とも了解した。

       

      私自身、この案件は当初から予算や役所との折衝でかなり苦しんだ。

      建築主も早く着工したいと思っているのは十分承知していたが、

      役所の部署も20近くとやり取りをするがために

      どうしてもそれぞれで時間がかかる。

      かつ、予算も気にしながら、近隣マンションとの折衝も続けながらである。

      途中何度も心が折れそうになった。

      ただ、それ以上にその状況を具体的に見聞きしていない建築主の方が

      精神的に苦しかったと思う。

      それでもここまで来れたのは建築主からの信頼があってこそだと思う。

       

      ようやく着工していくが、

      予算調整のために既に下りている開発届出の内容を修正しているので、

      改めての図面作成が必要である。

      また、限られた予算の中での建物なので、

      外壁や床材の仕様もかなり制限されているが、

      それでも少しでも良い建物になるように足掻くつもりである。

      完成までにはしばらく時間がかかる。

      現場には迷惑をかけない程度に最後の最後まで諦めずに走り切りたいと思う。

      連戦連敗

      2019.03.15 Friday

      0

        去年の冬に提出したプロポーザルは2件とも

        結果を出すことができなかった。

        そんな簡単に結果は出ないことは分かっているが、

        それでも時間のない中でなんとか完成させて

        提出しているから多少なりとも光が見えれば

        さらにがんばれるがそんな簡単にはいかない。

        これは「最高の仕上がりですか。」と問われれば、

        言葉に詰まってしまう時点でだめなんだろう。

        それでも時間のない中で戦い続ける自分を

        自分だけは褒めてあげたい。

         

        大学受験をしている頃に英語の参考書に載っていた

        格言がたまたま去年買った本に載っていた。

        「人生でもっとも輝かしいときは、

        いわゆる栄光のときではなく、

        むしろ落胆や絶望のなかで、

        人生への挑戦と

        未来への完遂の展望が

        湧き上がるのを感じたときだ。(フローベール)」

        以前に知り合いに指摘された通り、悲壮感漂う感じだが、

        この格言は人生の節目節目で何故か出くわす。

        今まで何回も自分の能力の限界を感じ、

        自分の力なんてこんなものか、とか、

        何故ここまで他人と比べて劣っているのか、と思う時もあった。

        だが、そこから、気を取り直して、黙々とあきらめずやり続けていると

        知らない間に自分よりも優れているはずの他人を追い抜いて自分の望む結果を出すこともあった。

        出た結論としては、他人と比べることも重要ではあるが、

        自分の目標とする場所へ必死に黙々と歩き続けることが一番大事だということだ。

         

        要件でそもそも提出できないプロポーザルも多いが、

        きっと今後も私が提出したいと思える、

        そして、出会うべきプロポーザルもあることだろう。

        なかなか結果は出ないかもしれないが、

        一喜一憂せずに必死に黙々と歩き続けて行きたいと思う。

        HP用の自分の写真

        2019.03.10 Sunday

        0

          JUGEMテーマ:人生論

          少し前に、ある建築主から

          「HPの田中さんの写真、初々しすぎるから

          更新した方がいいんじゃないですか。」と冗談半分、本気半分で言われた。

          あの写真は約3年前に自分の事務所を開設して

          今後がんばっていく意気込みも含め、

          私の好きな建築家である、谷口吉生氏設計の

          香川県の東山魁夷せとうち美術館の横の浜辺で撮ったものである。

           

          また、何かをネット上で検索している中で

          たまたま他の設計事務所のHPを閲覧することがある。

          その時に気になるのが、「この建築家の写真、何年前の写真なんだろう。」と

          思うことがある。

          完成写真やブログも何年も前から更新されていなかったり、

          HPの作りもインターネット草創期のものじゃないかというものもある。

          そういう意味でもHPの各要素の更新はちょっとずつでも

          していくべきと私自身も考えていた。

           

          話は変わるが、私は服やカバン等にはあまり興味がない。

          ただ、自分で事務所を始めてから

          高価な服やカバンはやはり必要ないと考えているが、

          それでも設計者として服や身に付けているもの等で

          人となりを判断されることもあると考え、

          定期的に服等は買い替えるようにしている。

           

          神戸ハーバーランドからの景色。

          HP用の自分の写真を写真館等で

          きっちり撮ってもらうことも考えたが、

          まだ時期として早い気もしたので、

          事務所がある、この神戸の地から改めて頑張る意味合いも含め、

          神戸のハーバーランドで写真を撮った。

           

          私自身、そこまで機敏な人間ではないし、

          自分を良く見せることに長けてもいない。

          それでも、HP用の自分の写真を更新したり、

          服装に最低限の気を遣うことは

          私が望む建築主との出会いの確率を高めるだろうし、

          これから設計を依頼するかもしれない建築主への最低限の礼儀だと思う。

          そして、それはひいては設計や完成する建物の質にも

          結びつくものだとも思う。

          些細なことかもしれないが、

          私なりに襟を正して、設計以外のことにも配慮していきたいと思う。

          熱い人

          2019.03.08 Friday

          0

            JUGEMテーマ:人生論

            ある建築主が災害で夏祭りが開催されず、

            それに参加できなかった子供達のために

            以前からイベントを企画していることは知っていた。

            その建築主と先日メールのやり取りをしていると、

            そのイベントがニュースで取り上げていたらしく、

            その動画のリンクを教えてくれたので、

            早速拝見した。

             

            一番印象的だったのはたくさんの子供達の笑顔だった。

            約15分のニュース動画で、

            今までその建築主から聞いていた内容の通りだったが、

            実際に多くの子供達がその夏祭りの代わりの祭りを

            楽しみにして喜んで、どの子供達も笑顔だったことで

            今までいろいろと聞いてきた建築主の話や

            建築主が激務でまぶたが腫れ上がったり、

            腰を痛めて痛み止めを注射していたことの全てがはっきり繋がり、

            最後に建築主がインタビューを受けている時に

            感無量です、と涙ぐんでいるのを見て、私も涙が溢れてきた。

             

            地位やお金や名誉ではなく、

            ただただ、子供達に喜んでもらいたいという気持ちで

            このイベントを企画したと思う。

            理屈ではなく、ただそう自然に思ったのだと思う。

            それでも体調が悪かったり、資金面でも苦労していたと思う。

            それでも、当初の熱い気持ちをそのままにこのイベントを成功させたのだと思う。

            そんな熱い人は本当にかっこいいと思う。

            私もそんな人間になりたいと思う。