法定相続人

2020.03.31 Tuesday

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    先日提出していた許可申請に関して

    役所から修正内容のFAXが流れてきていた。

    事前にある程度やり取りをしていたので、

    修正すべき内容は数行程度だったが、

    一つだけ今までに出てきていない内容があった。

    「署名した人と登記簿の関係が分かる資料を作成し、

    法定相続人全員の委任状を添付すること」

    んっ?何のことだ?

    登記簿に記載していた人の同意書は私ではなく、

    この申請の依頼主が取りに行ってくれていたので、

    改めてその資料を確認すると確かに数名、登記簿と同意した人の名前が違う。

    ただ、苗字は同じだが、下の名前が違う。

    しばらく考えて、意味が分かった。

    登記簿は土地の所有所が記載されているが、

    当然、その所有者が亡くなれば、

    民法、もしくは遺産分割協議に基づいて

    その土地の所有者も変更になる。

    普通に行けば、配偶者とその子供。

    そして、その変更した内容は法務局に据え付けられている登記簿の内容を変更しないと

    場合によっては法的には保護されない。

    法律の勉強をしていると嫌というほど、

    この登記に絡む裁判例が出てくる。

    それだけ問題が起きやすい内容なのである。

    ただ、反面、登記を変更するには個人でできないこともないが、

    ほとんどの場合は司法書士や土地家屋調査士に依頼することになり費用がかかる。

    そのため、登記が放置されていることも多い。

    今回はまさしくその状態の土地がいくつかあることが分かった。

     

    「負動産時代」(朝日新聞取材班)

    少し前に購入して読んだ。

    「不動産」ではなく、「負動産」

    現在の日本は空き家が年々増えているが、

    その本ではいくつか例を出して、

    現代の日本の状況と制度が噛み合っていないことで

    いろんな問題が出てきていることを指摘していた。

    一つの例。

    関東の主要都市の駅近くの一等地であるのに

    廃墟が建ったままの土地があるという。

    価値で言えば数億の土地。

    記者が調べていくと、土地の登記が放置されていたために

    法定相続人が100人近くいるらしく手付かずになったらしい。

    そうなると、法定相続人の誰かや行政がどうにかしようとしても

    その100人を把握すること自体が難しく、どうしようもない。

    少子化や経済格差等の問題も絡んで年々そんな土地が増えているらしい。

     

    役所からの修正内容を読んで、その本の内容が頭をよぎった。

    なんとなく、答えは分かっていたが、念のため、役所にその内容を確認した。

    役所からは、戸籍謄本を取り寄せて何人になっても委任状をもらってくるように言われた。

    それが100人でもですか、と聞いたが、基本的にそうです、との回答。

    ここ数年の役所とのやり取りで答えも分かっていて、

    かつ、それを冷静にやり取りできている自分を褒めたくなった。

    役所の回答は正しいと思うし、法規に沿えばその通りだと思う。

    ただ、現地は既に自治体の方で道路として使えるようにアスファルト舗装はしているし、

    その工事の時に土地の所有者と何らかのやり取りをしているからこそ工事が出来ているのだから、

    改めてこれから戸籍謄本を取り寄せて、その法定相続人の委任状をもらうことに意味を感じられない。

    分かり切っていることをこれから実行しなければならないことで気分が沈む。

    民間会社が宇宙旅行を企画するこの時代。

    日本の将来は大丈夫だろうか。

    分かっているつもり

    2020.03.27 Friday

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      JUGEMテーマ:人生論

      先日、知り合い二人と飲みに行った。

      その二人は会社の代表である。

      会社員時代は会社の人と月に数回は飲みに行っていた気がするが、

      事務所を始めてからは年に数回程度しか飲みに行っていない。

      特に飲みに行きたいとも思わないし、

      毎日、仕事か勉強の日々だが、なんとなく充実した感じがする。

      きっとこの生活が合っているのだろう。

       

      その二人と飲みながら、

      仕事の立場がら、やはり話題はコロナウイルスのことや

      今後の仕事の話がメインだった。

      いろんな話をしながら、私自身、設計事務所を始めてから

      思い悩んでいることを話して意見を聞いてみた。

      ある一人から言われたのは、

      「田中さん、考え過ぎですよ。本当に真っすぐな人やな」と言われた。

      言われて思ったが、この「考え過ぎ」「真っすぐ」という単語は今まで何人の人に言われただろうか。

      必死になればなるほど、この要素が顔を出してきて、私自身がぐるぐると混乱の状態になる。

      そして、言ってくれる人もこの発言をする時は大体、苦笑いをしながら言ってくる。

      私の解釈としてはそれらは私の長所であり、短所であり、

      人からすると苦笑いする感じの人間臭い部分なのかもしれない。

      設計事務所を運営する日々は私自身に合ってはいるが、

      唯一欠点はある。

      会社に所属している時ほど人といろんな話をする機会がないので、

      一人悩むことが多い。

      また、年齢的立場的にも上からアドバイスされることが少ない。

      特に必死になればなるほど、自分で解決しなければならないことが多いので、

      余計に思い悩むのかもしれない。

      ただ、分かっているつもりではいたが、その一言を言われ、

      なんとなく肩の力が抜けた気がした。

       

      コロナウイルスが流行り始めた時は世の中大変だなぐらいにしか思っていなかったが、

      気付けば遠い近いの違いはあるが、それが原因でいくつかの仕事が流れてしまった。

      他の設計事務所が出している書籍で以前のリーマンショックの時は大変だったと

      いろんな設計者が語っていたが、ふーんぐらいにしか感じていなかった。

      ただ、今回のコロナショックがまさしくそれだと身をもって体験させられた気分である。

      本当に大変だ。

      でも、こんな時だからこそ、すべきことがきっとある。

      実際、仕事がかなり忙しい時と同じぐらいにここ最近は忙しい。

      今仕事が忙しくなると困ると思うぐらいにすべきことがたくさんある。

      どんな時でも全てはより良い設計者になるために時間をつぎ込んで行きたいと思う。

      2020.03.15 Sunday

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        2件プレゼンする機会をたまたまもらったので、

        早速プラン検討することにした。

         

        設計事務所が仕事に取り掛かる時に一番最初にもらう情報は

        予算と要望である。

        ただ、経験上、建築主の要望を満たそうとすると、

        建築主の考えている予算通りになることはほぼなく、

        だいたい予算の1.5倍以上になることが多い。

        私の場合は最初のプレゼン提案としては

        まずは要望通りにプランしている。

        私が逆の立場で考えると、結果的にその予算では望んでいた建物の実現が難しいとしても、

        自分が望んでいた建物はどれぐらいの金額になるかを知りたいからである。

        全てに言えることだが、知らなかったことを知って違う考え方も可能だろうし、

        違う発想も出てくる可能性があるからである。

        それを理解してもらい、建築主と設計者で試行錯誤する時間が打合せだと思う。

         

        また、設計事務所が出す工事金額は概算のさらに手前の超概算である。

        計画建物の材料の数量を拾い出して、材料の単価の載っている本があるので、

        それらを組み合わせて工事金額を出すこともあるし、

        今までの経験上、構造様式や仕上げのグレードでおおよそ坪単価を知っているので、

        それを元に出すこともある。

        ただ、材料の金額は実際はその時々で変わるし、

        相見積をする時は施工会社によっては企業努力で

        全体の金額を相場よりも圧縮してくれることもあるので、

        結局、施工者に見積を取らない限りは金額は分からない。

        だから、設計事務所の工事金額はあくまで概算の手前の超概算の参考金額としかならない。

         

        そんなことを考えながら、プラン検討を始め、

        今日で1件でもある程度固まればと考えていたが、

        時間が経つのも忘れて、2件ともあっという間に終わってしまった。

        私は設計のいろんな作業の中でもプラン検討が一番好きだ。

        手を動かしながら、要望を元にいろんなイメージを頭の中で膨らましていくと

        無限の可能性を感じる。

        ただ、予算という制約があるが。

        どちらもプランし終わったが、どちらもいつものごとく、

        延床面積からすると予算の1.5倍以上はかかりそうである。

        要望をある程度修正したり、省いたりして、さらにプラン検討で

        5000万ぐらいかかるものを4000万ぐらいにすることは設計の力でも可能である。

        ただし、提示されている要望が外しにくい内容だったり、

        元々、予算と要望の関係が厳しそうという前提なのに、

        3000万するところを2000万に絞るのはかなり難しい。

        その2件とも外せない要望が多く、かつ、予算が要望に基づいて出てきたプランと合っていないので、

        どちらも実現はかなり難しいと分かり、落胆した。

         

        帰り道に歩道橋の上まで上りきると正面に虹が架かっていた。

        今月の11日の震災9年目のニュースで東北各地で虹がかかったと流れていた。

        多くの人達はその虹を見ながら何を思ったのだろうか。

        私は虹を見て思った。

        悪いこともあるけど前を向いて歩いていれば

        きっと良いこともあるよ、と言われているような気がした。

        参った

        2020.03.11 Wednesday

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          ある知り合いから夜に連絡があった。

          滅多にかかってこない時間帯だったので、悪い予感がしたが、

          予感が的中した。

          最近、その知り合いの友人の住宅の設計を進めており、

          また、その知り合いの知っている工務店が施工者に入る予定なので、

          設計もある程度進み、つい先日、その施工者に見積依頼をしたばかりだった。

          その見積が出てくれば着工が見えてくるというそんなタイミングだった。

          そして、今までにないぐらいに大きな規模の住宅だったので、私自身も完成を楽しみにしていた。

          また、計画内容もコストに考慮しつつも今まで使ったことのない建材を採用したり、

          設計作業も初めてautocadとrevitで作成途中で、私自身も気合を入れて設計していた所だった。

           

          知り合いからの連絡内容はその建築主の家庭の事情で設計を止めたいとのこと。

          無期限延期の連絡だった。

          込み入った事情のようだったので、詳しくは聞けなかったが、

          設計者の私は関係なく、あくまで建築主側の理由だったので、

          なおさらそれ以上何も言いようがなかった。

          そのこと自体、ショックだったが、

          それ以上に最近、同様な形で打合せをすでに始めていた案件が

          立て続けに止まっていたので、なおさらショックだった。

          参った。本当に参った。

          プレゼン段階でうまく行かなかったものはある程度割り切れるが、

          設計をお願いされて、その設計を進めていく中で

          私自身もその設計している建物にのめり込んでいって完成を楽しみにしているし、

          同時並行で自分の事務所の売上の計算もしていく。

          それが途中でだめとなると楽しみにしていた完成もかなわなくなるし、

          売上も計算が成り立たなくなる。

          つらい。本当につらい。

          電話を切った後、深いため息が出て、目の前が真っ暗になったような気分になった。

           

          40数年生きてくると、今回のように目の前が真っ暗になるようなことは

          たくさんはないが、何回かはある。

          こうしておけば良かったんじゃないだろうか、

          努力が足りなかったんじゃないだろうか、等、その瞬間、後悔に苛まれる。

          ただ、時間が経って分かることはその避けがたいことが起きたことは

          どうしようもなかったということだ。

          ひょっとすると回避する方法があったかもしれないが、

          時間が経ってもあまり印象が変わらないということは起こるべくして起きたということだ。

          さらに言えることは、その悪い出来事はその時は目の前が真っ暗になったように感じるぐらいに

          悪いことではあるが、時間が経ってくるとその出来事があったから今の私がいると感謝することが多い。

          振り返るとその時の私自身も間違ったことはしていないが、

          その悪いことを契機に考え方ややり方を変えたことでその後さらに良くなったことがほとんどである。

          逆にその目の前が真っ暗になるような出来事に飲み込まれ、

          その場で立ちすくんで考えることをやめていたら今の私はいないだろう。

           

          ここ最近、仕事が流れてしまったことで

          事務所を開設した頃と同じぐらいに時間に余裕が出来た。

          そのこと自体は辛く、不安なことではあるが、

          すでに私の中ですべきことはたくさんある。

          前を向いてすべきことをしていくことが今最もすべきことである。

          良い時もあれば悪い時もある。

          設計事務所を運営していくとはそういうことなのだろう。

          うーん…

          2020.03.05 Thursday

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            ここ最近はいくつか依頼されている申請の図面作成や

            建築主からほぼお任せ状態の案件があり、

            打合せもほぼなく、計画内容を私の方のみで検討していたりする。

            年明けから動いている現場がなくなったこともあり、

            室内に閉じこもってパソコンを前にひたすら作業している日々である。

            また、夜中はautocadやRevit等の設計に関わるソフトを

            マニュアル本やYoutube等を参考に習得を進めている。

            現場がなくなって気付いたが、

            現場が多いと作業する時間が減って困っていたが、

            なかったらないでひたすら室内で作業するのも性に合わないらしい。

            やっぱりバランスが重要なようだ。

             

            約10年前に一級建築士受験の時に購入した法令集と最新の法令集。

            確認申請等の時に条文を参照したりする時に稀に使っていた。

            ただ、法令集だけでは分かりにくいので、確認申請に特化した分かり易い本もあるので、

            通常はそれを使用している。

            そのため、法令集を使うことはあまりない。

            ただ、ここ最近閉じこもっている生活が多いからか、

            仕事の仕方や設計事務所としてどうあるべきか等を考える中で

            原理原則の足元からしっかりやっていこうと思い、

            約10年ぶりに法令集を買い替えた。

             

            「建築と経営のあいだ」(高橋寿太郎)

            友人から以前にお勧めされていたので、購入して読んでみた。

            著者は建築系の大学院を卒業後、アトリエ事務所で働いたが、

            その後、設計ではなく、不動産の世界に活躍の場を拡げた方である。

            私も実際に出くわしたことがあるような事例を参考に

            仕事の進め方を紹介していたり、

            現在の日本や将来の日本を見据え、お金の流れや仕事の仕方を

            事例を交えながら持論を展開していた。

            いろいろと参考になり、納得する部分もあった。

            そして、設計者が設計だけをするのではなく、

            いろんな他業種に参入し、仕事の幅を拡げていく可能性についても言及していた。

             

            私自身、設計事務所が旧来の設計事務所の在り方のままでは限界を迎えていくように考えていた。

            折しも、働き方改革や会社員の副業の奨励等が最近叫ばれているし、

            日本の経済規模が小さくなる中で一つだけの職種ではやっていけなくなる可能性もあるからである。

            ただ、しばらく前からそのことを考え続けていたし、その紹介された本もまさしくそのことを書いていたが、

            なんとなく、その本業以外の他業種とのシナジー効果を狙って幅を拡げていくことに疑問があった。

            今の世の中では方向性は正しいと思うし、何の反論もないのだが、

            私がそれをすべきかと考えると、うーんと釈然としない感じになる。

             

            たまたま私は設計事務所を営みながら、司法試験合格も目指している。

            かなり前から続けているが、建築と法律でシナジー効果を発揮して、

            仕事の幅が拡がったらうれしいな、とは考えているが、

            仕事の幅を拡げるために目指している訳ではなく、

            極論、ただ弁護士になった自分を想像してうれしい気分になるから目指している。

            建築に関しても学生の頃から自分で設計事務所を開業して、

            設計の仕事をしている自分を想像して

            うれしい気分になったからそれを目指したし、実際にそれをしていてうれしい気分である。

            逆に、所謂、建築家になりたい、という願望は今まで一度もない。

            第三者からすれば、それは建築家になることとどう違うのかと言われれば、

            うまく説明できないがなんとなく違うことなのである。

             

            話は変わるが、最近のニュースはコロナウイルス一色である。

            感染が拡大している、トイレットペーパーが品切れ、学校が閉鎖、等。

            ニュースの中でトイレットペーパーを買うためにスーパーに並んでいる人にインタビューしていたが、

            その並んでいる人は、コロナウイルスとトイレットペーパーが関係ないことは分かっているし、

            国内で作っているから品切れにならないことは分かっているが、

            ニュースを見て不安でしょうがないから買うんです、と言っていた。

            なんだそりゃと思いながら、人間の遺伝子上、病気から身を守ることは

            何万年前から刻まれていることだから不安になってそんな行動を取るのは

            しょうがないんだろうなとも思った。

            ただ、情報を鵜呑みにして恐怖に駆られて行動する人間というものも怖いなとも思った。

            また、政府の対応もその時々の情勢や世論に合わせて動いているだけのような感じがして

            なんとなく違和感がある。

             

            コロナウイルスに関して言えば当たり前のことだが、

            そもそもコロナウイルスとは何なのか、疫学的にどうしていく必要があるのか、

            他のウイルスに比べどの程度の危険性があるのか、

            どう対応しそれは経済や国民生活にどの程度の影響があるのか、等、

            一つずつ明確にしてそれを政府が説明し、国民が理解することで

            現在のような混乱にならないように思う。

            情報や憶測だけが先走って、不安が不安を呼んでいるように思う。

            話は元に戻るが、設計事務所の在り方も日本の将来を考えた時に

            不安が不安を呼び、他業種とクロスオーバーしていく必要性を考えていたが、

            現時点では結果的にそうなる可能性もあるが、

            副業をしたり、他業種へ手を伸ばしていくことはない。

            今は情報過多な世の中だが、自分自身を振り返り、

            一番信頼できるのはやはり自分の知識、経験、感覚である。

            コロナウイルスも実際に流行っているし、日本の人口も実際に減少しているが、

            その不安要素にひるんで自分自身の頭でちゃんと判断しないことの方が恐ろしい。

            私自身、自分の知識、経験、感覚を信頼している。

            混乱や不安が多い時にこそ、原理原則に立ち返ることが大切だと思う。

            目の前の仕事をしっかりすることや最新の法令集に買い替えることもそうだが、

            地味なことだがとても大切だと思う。

            設計事務所を開業して設計の仕事をして、さらに弁護士にもなった自分が何らかの価値を提供して

            依頼主に喜んでもらえることができるならそれに勝ることはない。

            いろんな情報を吸収する必要はあるが、自分で判断をしていかないといけない。

            時代の流れで今目指していることが難しくなる時も来るかもしれないし、

            今後も悩み続けることだろうが、

            考えに考え抜いた結果、建築と法律のプロになることが何より優先順位が高いなら

            全ての時間はそれに投入していく必要がある。

            他のことに時間を使っている余裕はない、ということになるのだろう。