参った

2020.03.11 Wednesday

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    ある知り合いから夜に連絡があった。

    滅多にかかってこない時間帯だったので、悪い予感がしたが、

    予感が的中した。

    最近、その知り合いの友人の住宅の設計を進めており、

    また、その知り合いの知っている工務店が施工者に入る予定なので、

    設計もある程度進み、つい先日、その施工者に見積依頼をしたばかりだった。

    その見積が出てくれば着工が見えてくるというそんなタイミングだった。

    そして、今までにないぐらいに大きな規模の住宅だったので、私自身も完成を楽しみにしていた。

    また、計画内容もコストに考慮しつつも今まで使ったことのない建材を採用したり、

    設計作業も初めてautocadとrevitで作成途中で、私自身も気合を入れて設計していた所だった。

     

    知り合いからの連絡内容はその建築主の家庭の事情で設計を止めたいとのこと。

    無期限延期の連絡だった。

    込み入った事情のようだったので、詳しくは聞けなかったが、

    設計者の私は関係なく、あくまで建築主側の理由だったので、

    なおさらそれ以上何も言いようがなかった。

    そのこと自体、ショックだったが、

    それ以上に最近、同様な形で打合せをすでに始めていた案件が

    立て続けに止まっていたので、なおさらショックだった。

    参った。本当に参った。

    プレゼン段階でうまく行かなかったものはある程度割り切れるが、

    設計をお願いされて、その設計を進めていく中で

    私自身もその設計している建物にのめり込んでいって完成を楽しみにしているし、

    同時並行で自分の事務所の売上の計算もしていく。

    それが途中でだめとなると楽しみにしていた完成もかなわなくなるし、

    売上も計算が成り立たなくなる。

    つらい。本当につらい。

    電話を切った後、深いため息が出て、目の前が真っ暗になったような気分になった。

     

    40数年生きてくると、今回のように目の前が真っ暗になるようなことは

    たくさんはないが、何回かはある。

    こうしておけば良かったんじゃないだろうか、

    努力が足りなかったんじゃないだろうか、等、その瞬間、後悔に苛まれる。

    ただ、時間が経って分かることはその避けがたいことが起きたことは

    どうしようもなかったということだ。

    ひょっとすると回避する方法があったかもしれないが、

    時間が経ってもあまり印象が変わらないということは起こるべくして起きたということだ。

    さらに言えることは、その悪い出来事はその時は目の前が真っ暗になったように感じるぐらいに

    悪いことではあるが、時間が経ってくるとその出来事があったから今の私がいると感謝することが多い。

    振り返るとその時の私自身も間違ったことはしていないが、

    その悪いことを契機に考え方ややり方を変えたことでその後さらに良くなったことがほとんどである。

    逆にその目の前が真っ暗になるような出来事に飲み込まれ、

    その場で立ちすくんで考えることをやめていたら今の私はいないだろう。

     

    ここ最近、仕事が流れてしまったことで

    事務所を開設した頃と同じぐらいに時間に余裕が出来た。

    そのこと自体は辛く、不安なことではあるが、

    すでに私の中ですべきことはたくさんある。

    前を向いてすべきことをしていくことが今最もすべきことである。

    良い時もあれば悪い時もある。

    設計事務所を運営していくとはそういうことなのだろう。

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    2020.09.19 Saturday

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