現場は職人で支えられている

2019.12.06 Friday

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    リノベーション現場にいつも通り確認に向かった。

     

    足場が取れて外壁の焼杉の全体が見えた。

    外壁材も建築主といろいろと打合せをし、

    サンプルもたくさん取り寄せたが、

    最終的には塗装等を施していない、本当に焼いたままの焼杉を採用した。

    雨が降れば表面の焦げが多少剥がれ落ちたりもするが、

    メンテナンスがほぼいらず、長持ちするはずである。

     

    ラワン合板の天井と化粧梁。

    壁の色をグレーで統一したが、天井材との色合いがとても合っていた。

     

    トイレの片面の壁は全面タイル張りで、

    その反対の壁は全面ガラス張りの計画である。

    職人さんが苦労しながらガラスを張っていた。

    このトイレの計画も建築主とあれこれ検討したが、

    間接照明で照らしたタイルをメインに

    空間の広がりが感じられるように逆の壁を全面ガラスにしたが、

    私もまだしたことのない仕様なので、完成時が楽しみである。

     

    ラワン突板の製作建具。

    表面を自然塗料で丁寧に塗装していた。

     

    全体を確認していったが、完成まであと少しということで

    相変わらず多くの職人さんで混雑していた。

    そして、それぞれの職人さんが黙々と作業をしている姿を見て

    どの現場も各職人さんに支えられて建物が完成していくことを改めて感じていた。

     

    設計者と建築主が打合せをして計画内容が決まっていき、

    設計者がその打合せ内容に基づいて図面を作成していく。

    ただ、現場が始まれば、設計者は現場監理で現場をチェックしていくことはできるが、

    釘一つ打たないし、そもそも打てない。

    後は現場監督の指揮の下、各職人さんの技量や熱意や図面の理解度に委ねるしかない。

    経験上、いろんな職人さんはいるが、大体、自分の仕事にプライドを持って仕事をしている。

    プライドを持って仕事をしている職人さんはとてもかっこいいと思う。

    建物全体の一部を担っているに過ぎないが、その部分部分を手を抜かずに

    しっかりとした仕事をしてくれることで建物の完成度が決まってくる。

    現場を訪れた時に職人さん全員と話している時間も機会もないが、

    いつも感謝の気持ちが湧いてくる。

    私が設計の仕事をしている限り、

    今後もプライドを持った職人さんとの仕事をしていきたいと思う。

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