建築設計とデザイン

2016.12.16 Friday

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    JUGEMテーマ:建築・設計・デザイン

    たまたま先日落選したプロポーザルの結果がネット上で公表されていた。

    何人かの提案書があり、それらを見ながらいろんな思いが湧いてきた。

    どのプレゼンもいろいろと案を練って、

    プレゼン自体もCGや模型を使ってふわっと軽い表現できれいに仕上げてあった。

    ただ、このプロポーザルは提案に地域性を強く求めていたが、

    どの案も違う場所でも成り立つような案だった。

    それらの案を見ながら、自身が大学で建築を学んでいた時のことを思い出した。

     

    大学で建築を学んでいる時に一番理解しにくかったことがある。

    それは建築設計の実習である。

    建築設計の実習は最初に敷地や用途等の与条件を与えられ、

    模型や図面を作成して自分なりの提案を行うというものである。

    その他の構造力学や建築計画等の授業内容はテキストそのままだが、

    建築設計の実習は自分なりにこれが正解というものにたどり着けず苦労していた。

    もちろん表彰されたこともない。

    ただ、建築設計の優秀者として表彰される人の案を見てきたが、

    確かにプレゼンはきれいにできているが、その与条件と案を見比べた時に

    何か釈然としないものがあった。

    また、ちょっとでも建築のことを知るためにいろいろな本を読んだが、

    法律の本に比べ、中身が抽象的過ぎて、読み終わった後、

    結局何が言いたいのかが良く分からない本が多かった。

    大学の時は自分の理解力や建築設計に対する能力が低いのだろうと考えていた。

     

    大学を卒業して建築設計の実務を約10年してきたが、

    建築設計は大学と社会ではかなり求められているものが異なることは身に染みて分かった。

    社会ではまずお金ありきで、いかにその予算でより良いものに仕上げられるかが重要である。

    そして、出来た建物も重要だが、その建物を発注しているお客様にいかに良い気分で

    その過程を経験してもらえるかも重要である。

    ひょっとすると、後者の方がより重要かもしれない。

     

    しかし、街を歩いているとどこかしらで工事をして新たな建物が造られているが、

    正直、もうちょっと建築・デザインの可能性を感じられる設計はできなかったのか、

    その設計者は予算ありきでその建物を建ててしまって良いのか、

    と言いたくなる建物がとても多い。

     

    現実的な建築設計で出来上がる建物は見ていてつらい気持ちになる。

    デザイン重視でその発注者や使用者に見向きもされなくなってしまう建物もつらい気持ちになる。

     

    私の今の結論としては、設計という職種は現実的な建築設計を行う能力と

    デザインの力を発揮できるような提案力の両方が必要なのだと思う。

    どちらかにすり寄ることは本人にとっても、社会にとっても不幸な結果になるのだと思う。

     

     

     

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