2020.03.15 Sunday

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    2件プレゼンする機会をたまたまもらったので、

    早速プラン検討することにした。

     

    設計事務所が仕事に取り掛かる時に一番最初にもらう情報は

    予算と要望である。

    ただ、経験上、建築主の要望を満たそうとすると、

    建築主の考えている予算通りになることはほぼなく、

    だいたい予算の1.5倍以上になることが多い。

    私の場合は最初のプレゼン提案としては

    まずは要望通りにプランしている。

    私が逆の立場で考えると、結果的にその予算では望んでいた建物の実現が難しいとしても、

    自分が望んでいた建物はどれぐらいの金額になるかを知りたいからである。

    全てに言えることだが、知らなかったことを知って違う考え方も可能だろうし、

    違う発想も出てくる可能性があるからである。

    それを理解してもらい、建築主と設計者で試行錯誤する時間が打合せだと思う。

     

    また、設計事務所が出す工事金額は概算のさらに手前の超概算である。

    計画建物の材料の数量を拾い出して、材料の単価の載っている本があるので、

    それらを組み合わせて工事金額を出すこともあるし、

    今までの経験上、構造様式や仕上げのグレードでおおよそ坪単価を知っているので、

    それを元に出すこともある。

    ただ、材料の金額は実際はその時々で変わるし、

    相見積をする時は施工会社によっては企業努力で

    全体の金額を相場よりも圧縮してくれることもあるので、

    結局、施工者に見積を取らない限りは金額は分からない。

    だから、設計事務所の工事金額はあくまで概算の手前の超概算の参考金額としかならない。

     

    そんなことを考えながら、プラン検討を始め、

    今日で1件でもある程度固まればと考えていたが、

    時間が経つのも忘れて、2件ともあっという間に終わってしまった。

    私は設計のいろんな作業の中でもプラン検討が一番好きだ。

    手を動かしながら、要望を元にいろんなイメージを頭の中で膨らましていくと

    無限の可能性を感じる。

    ただ、予算という制約があるが。

    どちらもプランし終わったが、どちらもいつものごとく、

    延床面積からすると予算の1.5倍以上はかかりそうである。

    要望をある程度修正したり、省いたりして、さらにプラン検討で

    5000万ぐらいかかるものを4000万ぐらいにすることは設計の力でも可能である。

    ただし、提示されている要望が外しにくい内容だったり、

    元々、予算と要望の関係が厳しそうという前提なのに、

    3000万するところを2000万に絞るのはかなり難しい。

    その2件とも外せない要望が多く、かつ、予算が要望に基づいて出てきたプランと合っていないので、

    どちらも実現はかなり難しいと分かり、落胆した。

     

    帰り道に歩道橋の上まで上りきると正面に虹が架かっていた。

    今月の11日の震災9年目のニュースで東北各地で虹がかかったと流れていた。

    多くの人達はその虹を見ながら何を思ったのだろうか。

    私は虹を見て思った。

    悪いこともあるけど前を向いて歩いていれば

    きっと良いこともあるよ、と言われているような気がした。

    参った

    2020.03.11 Wednesday

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      ある知り合いから夜に連絡があった。

      滅多にかかってこない時間帯だったので、悪い予感がしたが、

      予感が的中した。

      最近、その知り合いの友人の住宅の設計を進めており、

      また、その知り合いの知っている工務店が施工者に入る予定なので、

      設計もある程度進み、つい先日、その施工者に見積依頼をしたばかりだった。

      その見積が出てくれば着工が見えてくるというそんなタイミングだった。

      そして、今までにないぐらいに大きな規模の住宅だったので、私自身も完成を楽しみにしていた。

      また、計画内容もコストに考慮しつつも今まで使ったことのない建材を採用したり、

      設計作業も初めてautocadとrevitで作成途中で、私自身も気合を入れて設計していた所だった。

       

      知り合いからの連絡内容はその建築主の家庭の事情で設計を止めたいとのこと。

      無期限延期の連絡だった。

      込み入った事情のようだったので、詳しくは聞けなかったが、

      設計者の私は関係なく、あくまで建築主側の理由だったので、

      なおさらそれ以上何も言いようがなかった。

      そのこと自体、ショックだったが、

      それ以上に最近、同様な形で打合せをすでに始めていた案件が

      立て続けに止まっていたので、なおさらショックだった。

      参った。本当に参った。

      プレゼン段階でうまく行かなかったものはある程度割り切れるが、

      設計をお願いされて、その設計を進めていく中で

      私自身もその設計している建物にのめり込んでいって完成を楽しみにしているし、

      同時並行で自分の事務所の売上の計算もしていく。

      それが途中でだめとなると楽しみにしていた完成もかなわなくなるし、

      売上も計算が成り立たなくなる。

      つらい。本当につらい。

      電話を切った後、深いため息が出て、目の前が真っ暗になったような気分になった。

       

      40数年生きてくると、今回のように目の前が真っ暗になるようなことは

      たくさんはないが、何回かはある。

      こうしておけば良かったんじゃないだろうか、

      努力が足りなかったんじゃないだろうか、等、その瞬間、後悔に苛まれる。

      ただ、時間が経って分かることはその避けがたいことが起きたことは

      どうしようもなかったということだ。

      ひょっとすると回避する方法があったかもしれないが、

      時間が経ってもあまり印象が変わらないということは起こるべくして起きたということだ。

      さらに言えることは、その悪い出来事はその時は目の前が真っ暗になったように感じるぐらいに

      悪いことではあるが、時間が経ってくるとその出来事があったから今の私がいると感謝することが多い。

      振り返るとその時の私自身も間違ったことはしていないが、

      その悪いことを契機に考え方ややり方を変えたことでその後さらに良くなったことがほとんどである。

      逆にその目の前が真っ暗になるような出来事に飲み込まれ、

      その場で立ちすくんで考えることをやめていたら今の私はいないだろう。

       

      ここ最近、仕事が流れてしまったことで

      事務所を開設した頃と同じぐらいに時間に余裕が出来た。

      そのこと自体は辛く、不安なことではあるが、

      すでに私の中ですべきことはたくさんある。

      前を向いてすべきことをしていくことが今最もすべきことである。

      良い時もあれば悪い時もある。

      設計事務所を運営していくとはそういうことなのだろう。

      うーん…

      2020.03.05 Thursday

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        ここ最近はいくつか依頼されている申請の図面作成や

        建築主からほぼお任せ状態の案件があり、

        打合せもほぼなく、計画内容を私の方のみで検討していたりする。

        年明けから動いている現場がなくなったこともあり、

        室内に閉じこもってパソコンを前にひたすら作業している日々である。

        また、夜中はautocadやRevit等の設計に関わるソフトを

        マニュアル本やYoutube等を参考に習得を進めている。

        現場がなくなって気付いたが、

        現場が多いと作業する時間が減って困っていたが、

        なかったらないでひたすら室内で作業するのも性に合わないらしい。

        やっぱりバランスが重要なようだ。

         

        約10年前に一級建築士受験の時に購入した法令集と最新の法令集。

        確認申請等の時に条文を参照したりする時に稀に使っていた。

        ただ、法令集だけでは分かりにくいので、確認申請に特化した分かり易い本もあるので、

        通常はそれを使用している。

        そのため、法令集を使うことはあまりない。

        ただ、ここ最近閉じこもっている生活が多いからか、

        仕事の仕方や設計事務所としてどうあるべきか等を考える中で

        原理原則の足元からしっかりやっていこうと思い、

        約10年ぶりに法令集を買い替えた。

         

        「建築と経営のあいだ」(高橋寿太郎)

        友人から以前にお勧めされていたので、購入して読んでみた。

        著者は建築系の大学院を卒業後、アトリエ事務所で働いたが、

        その後、設計ではなく、不動産の世界に活躍の場を拡げた方である。

        私も実際に出くわしたことがあるような事例を参考に

        仕事の進め方を紹介していたり、

        現在の日本や将来の日本を見据え、お金の流れや仕事の仕方を

        事例を交えながら持論を展開していた。

        いろいろと参考になり、納得する部分もあった。

        そして、設計者が設計だけをするのではなく、

        いろんな他業種に参入し、仕事の幅を拡げていく可能性についても言及していた。

         

        私自身、設計事務所が旧来の設計事務所の在り方のままでは限界を迎えていくように考えていた。

        折しも、働き方改革や会社員の副業の奨励等が最近叫ばれているし、

        日本の経済規模が小さくなる中で一つだけの職種ではやっていけなくなる可能性もあるからである。

        ただ、しばらく前からそのことを考え続けていたし、その紹介された本もまさしくそのことを書いていたが、

        なんとなく、その本業以外の他業種とのシナジー効果を狙って幅を拡げていくことに疑問があった。

        今の世の中では方向性は正しいと思うし、何の反論もないのだが、

        私がそれをすべきかと考えると、うーんと釈然としない感じになる。

         

        たまたま私は設計事務所を営みながら、司法試験合格も目指している。

        かなり前から続けているが、建築と法律でシナジー効果を発揮して、

        仕事の幅が拡がったらうれしいな、とは考えているが、

        仕事の幅を拡げるために目指している訳ではなく、

        極論、ただ弁護士になった自分を想像してうれしい気分になるから目指している。

        建築に関しても学生の頃から自分で設計事務所を開業して、

        設計の仕事をしている自分を想像して

        うれしい気分になったからそれを目指したし、実際にそれをしていてうれしい気分である。

        逆に、所謂、建築家になりたい、という願望は今まで一度もない。

        第三者からすれば、それは建築家になることとどう違うのかと言われれば、

        うまく説明できないがなんとなく違うことなのである。

         

        話は変わるが、最近のニュースはコロナウイルス一色である。

        感染が拡大している、トイレットペーパーが品切れ、学校が閉鎖、等。

        ニュースの中でトイレットペーパーを買うためにスーパーに並んでいる人にインタビューしていたが、

        その並んでいる人は、コロナウイルスとトイレットペーパーが関係ないことは分かっているし、

        国内で作っているから品切れにならないことは分かっているが、

        ニュースを見て不安でしょうがないから買うんです、と言っていた。

        なんだそりゃと思いながら、人間の遺伝子上、病気から身を守ることは

        何万年前から刻まれていることだから不安になってそんな行動を取るのは

        しょうがないんだろうなとも思った。

        ただ、情報を鵜呑みにして恐怖に駆られて行動する人間というものも怖いなとも思った。

        また、政府の対応もその時々の情勢や世論に合わせて動いているだけのような感じがして

        なんとなく違和感がある。

         

        コロナウイルスに関して言えば当たり前のことだが、

        そもそもコロナウイルスとは何なのか、疫学的にどうしていく必要があるのか、

        他のウイルスに比べどの程度の危険性があるのか、

        どう対応しそれは経済や国民生活にどの程度の影響があるのか、等、

        一つずつ明確にしてそれを政府が説明し、国民が理解することで

        現在のような混乱にならないように思う。

        情報や憶測だけが先走って、不安が不安を呼んでいるように思う。

        話は元に戻るが、設計事務所の在り方も日本の将来を考えた時に

        不安が不安を呼び、他業種とクロスオーバーしていく必要性を考えていたが、

        現時点では結果的にそうなる可能性もあるが、

        副業をしたり、他業種へ手を伸ばしていくことはない。

        今は情報過多な世の中だが、自分自身を振り返り、

        一番信頼できるのはやはり自分の知識、経験、感覚である。

        コロナウイルスも実際に流行っているし、日本の人口も実際に減少しているが、

        その不安要素にひるんで自分自身の頭でちゃんと判断しないことの方が恐ろしい。

        私自身、自分の知識、経験、感覚を信頼している。

        混乱や不安が多い時にこそ、原理原則に立ち返ることが大切だと思う。

        目の前の仕事をしっかりすることや最新の法令集に買い替えることもそうだが、

        地味なことだがとても大切だと思う。

        設計事務所を開業して設計の仕事をして、さらに弁護士にもなった自分が何らかの価値を提供して

        依頼主に喜んでもらえることができるならそれに勝ることはない。

        いろんな情報を吸収する必要はあるが、自分で判断をしていかないといけない。

        時代の流れで今目指していることが難しくなる時も来るかもしれないし、

        今後も悩み続けることだろうが、

        考えに考え抜いた結果、建築と法律のプロになることが何より優先順位が高いなら

        全ての時間はそれに投入していく必要がある。

        他のことに時間を使っている余裕はない、ということになるのだろう。

        ショールームに行って思ったこと

        2020.02.13 Thursday

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          先日に引き続き、キッチンの仕様決めのために別のメーカーのショールームに行った。

          今までの経験上、キッチンはこのメーカーのものが不具合が少なく、

          デザイン上も良いものが多いので、特に指定がなければこのメーカーのものをよく選択する。

          最近は建築主側で仕様が決まっていることが多かったので、

          久しぶりにこのメーカーのショールームを訪れた。

           

          私とメーカーのコーディネーターの方とで仕様決めをした。

          約2年ぶりぐらいに商品の説明を受け、

          仕様は大きくは変更していなかったが、

          所々、新しい仕様になっていた。

          天板がガラス質のものがラインナップに加わっていたり、

          食洗器がすっきりと納まっていて、前板をたたくと食洗器が飛び出してくる等である。

          ただ、正直な感想としてはどれもそれなりの追加費用が必要で追加費用まで払って

          その仕様はいるのだろうかと疑問に思った。

          私も特に直接言った訳ではないが、コーディネーターの方も説明しながら

          私と同じような微妙な雰囲気だったので、

          思っていることは同じような気がした。

           

          先日の仕様決めしたメーカーも久しぶりの訪問だったが、

          同様に新しい仕様は本当にそれは必要な仕様なのかという雰囲気が

          私だけでなく、コーディネーターの方にも感じ取れた。

          思ったことは今の世界の中の日本の立ち位置を感じさせられた。

          以前はウォークマンを始めとする、電化製品はメイドインジャパンが主流で

          世界を席巻していた。

          発想、耐久性、価格、等、日本製品が海外のメーカーのものよりも秀でていたからこそ、

          日本製品が世界の中心でいられた。

          ただ、その後、パソコンや半導体は台湾や中国等の人件費が安い国の物が主流になり、

          アメリカのアップルのiPhone等を始めとする、イノベーティブな商品が日本製品にとって代わった。

          その間、日本の電化製品は汎用性のない商品を出したり、

          コストを上げてまで付加すべき機能かどうか怪しいものを世に出し続け、今に至る。

           

          話は変わって、最近、建築雑誌を見ていると、東京の渋谷再開発の特集が組まれていた。

          日本の有名建築家達がデザイン監修を行っていたが、

          いろんな事情はあるのだろうが、その結果がこれかと違う意味で驚いた。

          時を同じくして、たまたま日本でも有数のゼネコン設計部で働いている友人と同じ話題を交わしたが、

          彼も私と同じ感想のようだった。

          日本、大丈夫?と思った。

           

          その友人が以前から一押しの建築家がいる。

          BIG。

          大きいではない。

          Bjarke Ingels Group

          デンマークの建築家集団である。

          日本で言えば、最近では富士山麓でトヨタが企画するWovenCityのプロジェクトを担当する。

          私も以前から名前だけは知っていたが、改めていろいろと調べていくと

          設計、建築にとどまらず、世界を変えて行くような期待感を醸し出している。

          BIGはここ数年で一気に規模を拡大し、500名超を抱え、

          プロジェクトの数や内容を考慮すれば、今や世界一の設計事務所なのではないだろうか。

          しかも、そのトップであるビャルケ・インゲルスは年齢も私の少し上の40代後半という若さで

          そのような立ち位置にいることが本当にすごいなと思う。

           

          最近のニュースや本やネット等の情報に接していても、

          日本の電化製品、政治、人口増減、社会、どれも閉塞感が漂っているように思う。

          関係はないと思いつつも、設計、建築にもそんな印象を受ける。

          ただ、BIGを知って思うが、やはり設計、建築は世の中を変える可能性を感じる。

          突飛なデザインや目新しい建築は良いと思わないが、

          コンセプトを積み重ね、ディテールを検討に検討を重ねれば、

          きっと世の中とまでは言わないまでも小さくても何らかの変化を起こすことができるように思う。

          ビャルケ・インゲルスのようになりたいと思ってもないし、なることもできないとは思うが、

          その建築の可能性に関しては同じレベルまで高めたいと思う。

          ショールームに行ってそんなことを思った。

          ショールームで仕様決め

          2020.02.08 Saturday

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            住宅のキッチン、トイレ、等のことは一般に住宅設備、

            通称、住設という。

            一口に住設と言っても、メーカー品もあれば、

            特注で製作で作ることもある。

            私自身、キッチンを製作で設計したこともないし、

            浴室を在来工法やハーフユニットで設計したこともないが、

            いつかは設計してみたいなと思う。

            製作する場合はどうしてもコストが上がりやすかったり、

            水廻りの特性上、経年劣化がしやすく、それに保証を付けることもできない。

            よって、建築主の強い意向がない限りはメーカー品で選ぶことが多い。

            そして、住設の仕様決めでお世話になるのはやはり各メーカーの

            ショールームである。

            また、ショールームで仕様決め、と言っても、

            建築主が最初から具体的なメーカーや仕様を決めている場合もあるし、

            どんなメーカーがあるかも全く知らない場合もある。

            なので、建築主のみでショールームに行って、

            この仕様になりました、と報告を受けることもあれば、

            お任せします、ということで私のみが行って、

            こういう仕様で良いですか、ということもある。

            現在、打合せをしている建築主から、

            お任せします、とのことだったので、私一人でショールームに向かった。

             

            JR神戸駅近くのHDC。

            各メーカーのショールームが多く入っているので、よくお世話になっている。

             

            便器の色見本やユニットバスの展示。

            今回はユニットバス、大便器、小便器、シャワーブース、洗面化粧台の

            仕様決めを行った。

            そんなに急いだつもりはなかったが、全てが1時間で決まった。

            実際、建築主と検討しながら仕様決めをすると、

            ユニットバスだけでも最低2時間程度はかかる。

            もう十分大人だが、ぱっと決め終わった自分自身に成長したなと感心した。

             

            まだこの案件は走り出したばかりだが、いろいろと乗り越えて行くべき内容がある。

            建築主とも対話しつつ、土地とも対話しつつ、

            予算と工程を頭に入れながら、設計者としての本分を真摯に果たして行きたいと思う。