真面目に、正直に、一生懸命に

2019.10.19 Saturday

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    現場からいろいろと質疑があり、

    また、依頼していた照明のプレゼンボードが完成したので、

    現場打合せと建築主との打合せを行った。

     

    既存の火打ち梁。

    この部屋は勾配天井にするので、既存の火打ち梁が見えてくる。

    ボードで囲って隠してしまうことも可能だが、

    建物の完成イメージからするとそぐわないので、

    建築主に報告相談の上、方針を決定することとした。

     

    既存のサッシを取り外し、新規のサッシを設置した。

    ただ、サッシ上の既存の水切りを撤去するのか、そのまま利用するのかを

    現場で施工者とも相談したが、雨漏りリスクやコストのことを考えると

    既存水切りはそのままにして、新たに水切りを被せた方が

    メリットが大きいとの結論になったので、

    建築主に報告の上でそのように施工することにした。

     

    その他諸々の施工者からの質疑応答を行い、

    予定していたよりも時間がかかってしまったが、

    いろいろと解決することができ、

    現場が順調に進みそうなので、打合せをして良かった。

    施工者からの質疑や現場打合せを求められると

    必ず足を運ぶようにしているが、その点を施工者から感謝されることが多い。

    私からすると図面をきっちり書いたとしても

    その意図や内容が100%伝わると思っていないので、

    施工者から現場打合せを逆に求められる方がありがたい。

    施工者もしっかり考えてくれている裏返しでもある。

    設計事務所によっては現場に足を運ぶことは非効率と考える事務所もあるらしいし、

    施工者も図面の意図をちゃんと理解せず施工してしまう施工者もいるが、

    そういう部分は手を抜いても結局お互いが困ることになるので、

    そんなやり取りを今後も大切にしたいと考えている。

     

    その後、建築主と現場での内容や照明に関しての打合せを行った。

    現場からの質疑に関して説明していると

    建築主も現場へ足を運んでくれているようだが、

    どんなことが行われているか良く分からないとのことだったので、

    次回の現場打合せは建築主にも来てもらうことになった。

    私も同行して現場で説明すれば多少は理解が進むはずである。

    全てを理解することは無理でも多少の内容と設計者や施工者の姿勢は伝わると思う。

     

    建築主との雑談の中で建築主がある試験の合格を目指して

    以前から勉強しているということは知っていた。

    ただ、いろいろと話していると私が司法試験の勉強をしていることも

    一つのきっかけになっていると聞き、驚いた。

    話は変わるが、私の事務所の所員が来年には独立する。

    独立後もいろいろと手伝ってもらう予定だが、

    以前に雑談をする中で独立を目指す理由を聞くと

    私が独立してがんばっていることも理由の一つらしい。

    私自身はこうなりたいからこれをがんばらなければ、と

    手探りで一人黙々とすべきことを行っているが、

    知らないうちに私以外の人に何かしらプラスの影響を与えているとしたら

    それはうれしいことだ。

     

    設計の仕事も現場の打合せも試験勉強も

    いろいろと自分なりにやり方を試したが、

    結局、私には真面目に、正直に、一生懸命に、

    私がすべきことに取り組むことが一番、性に合っていると思う。

    うまく行かないこともあるし、なかなか結果が出てこないこともあるが、

    めげずにそのやり方を貫いていきたい。

    完了検査を迎えた

    2019.10.16 Wednesday

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      建築主に初めてお会いしてから約2年。

      ようやく完了検査の日を迎えた。

       

      建物外観。

      スロープも出来上がったが、

      雨の影響で点字ブロックや駐車スペースの

      コンクリート舗装はこれから。

       

      個室の内観。

      水廻りの機器も全て設置され、

      クロス等の仕上げも特に問題なかった。

       

      建物の完了検査を行ったが、

      開発届出とは反比例するように特に指摘事項もなく、

      無事終わった。

      消防検査を2日後に控えているので、

      それが終わればようやく検査済証も発行される。

      ただ、開発届出の完了の目処が立たないので、

      ようやく終わったという感じがない。

      設計者としてできることは限られているが、

      原理原則、設計者としての本分をしっかり果たしていくしかない。

      ジャン・ヌーヴェル

      2019.10.14 Monday

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        1、2か月前だっただろうか。

        たまたま本屋で見ていた海外の建築を紹介する雑誌を

        見ていた時に久しぶりにそのページを見た瞬間にその建物に引き込まれた。

         

        カタール国立博物館。

        砂漠のバラを模した形状をしている。

        コンセプトも読み込んでいったが、

        シンプルで明快で、その建物とコンセプトがとても合っていた。

         

        設計者はジャン・ヌーヴェル。

        今年で74歳だから日本で言えば、

        安藤忠雄や伊東豊雄と同年代。

        海外で言えば、レム・コールハースやスティーブン・ホール等。

        私が大学で建築を学んでいる頃に

        彼らの建築作品が常に建築雑誌を賑わせていた。

        ただ、正直、ジャン・ヌーヴェルはあまり興味が湧かなかった。

         

        ジャン・ヌーヴェルの最新プロジェクトの本。

        最新と言っても、少し前の本しかなかったが、

        とても興味が湧いたので、早速購入した。

        本の一番最初のインタビューの所に彼が

        「建築家は一種の触媒なのだと思っています。」とあった。

        ちょうど私も最近、私にしかできない設計を、ではなく、

        あくまで私の設計のスタンスは建築主がいて、

        その設計を行う土地があって、それぞれに耳を傾け、

        それらに私の設計の知識や経験を通して完成させる建物が

        私の目指す設計だと考えていた所なので、

        会うべき本は会うべきタイミングに出会うのだと改めて思った。

         

        私は英語はしゃべれないし、有力な建築的なバックボーンがある訳でもない。

        それに所員を多く抱えてもいないし、華々しく作品を雑誌に掲載されている訳でもない。

        どちらかというと、細かな金額を追って予算と見積に頭を抱えていたり、

        役所に提出している申請書類の細かな内容の修正を行ったり、

        この日本の神戸という場所でひたすらもがいている感じである。

        そんな状態でもいつかは日本以外の世界のどこかで

        私の設計した建物を建てていきたいと思う。

        ジャン・ヌーヴェルの経歴を細かく見て行くと、

        今は世界的な建築家ではあるが、60歳過ぎても

        いろんなコンペに提案しても落とされる方が多かった。

        きっと彼は彼でもがき続けているのだろう。

        彼と私を比べようもないが、それでももがき続ける先に何かがあると信じて、

        より良くなっていくために考えられることを必死に考えて

        死ぬまでしっかりと、もがき続けたいと思う。

        良い完成を目指す

        2019.10.10 Thursday

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          計画内容の変更に対しての見積が上がってきたので、

          その打合せのために建築主との打合せへ向かった。

          ただ、前回現場に足を運んで1週間ちょっと経っていたので、

          その待合せ時間よりも早めに行って現場確認も行った。

           

          元々、木製の火打ち材は入っていたが、

          床下地を横断していたり、ボルトが緩んでいたりしたので、

          全て位置をずらしてしっかり効くように鋼製の火打ち材を入れてもらった。

          コストも考慮し、最低限の位置の交換を現場側に指示していたが、

          現場側の配慮で全ての火打ち材を鋼製に交換し、施工してくれていた。

          完成時には見えてこない部分だが、

          そんな部分も配慮してくれた施工者の心の持ち様がうれしかった。

           

          LDKの中央を走る梁成の大きな梁。

          真ん中で上下に割けたようになっていたが、

          ボルトで締めて補正をお願いしていた。

          現場確認すると前回の時点でボルト締めしてくれていたが、

          念のためかさらに1本増えていた。

          おそらく大工さんが1本では不安に思ったのだろう。

          その慎重な姿勢がボルト1本増えていたことで感じ取れた。

           

          現場側から建築主に確認して欲しい宿題ももらった上で

          建築主との打合せを行った。

          約3時間近い打合せだったが、建築主も事前にいろいろと検討してくれていたおかげで

          スムーズな打合せを行うことができた。

          どんな建物も打合せの最初はいろんな検討事項が山積みで

          リノベーションの場合はさらに解体後にも検討事項がどっと増えるので、

          建築主も大変な思いだったと思うが、

          今回の打合せで計画内容の全貌に目処が立ってきたことで

          ほっとされている様子だった。

           

          ハウスメーカー等であればモデルハウスがあり、仕様もある程度決まっているので、

          建築主もある程度、そのラインに乗ってしまえば打合せが当初からスムーズには進んでいく。

          ただ、私のような設計事務所に依頼してくれる建築主は

          ある種の普通ではない建物を求めていると思うし、

          私自身、型にはめた打合せや建物を望んでいないので、

          導いていく設計者側も手探りな部分がある。

          整備されていない道を一緒に歩いてもらうような感じなので、

          建築主の負担も大きなものがあると思う。

          ただ、建築主にとって設計者である私がどの程度有効なのかは私自身は分からないが、

          そんな思いを汲んだ良い完成を目指す気持ちはいつも忘れないようにしている。

          現場に向かう電車の中で久しぶりに妹島和世氏の独立当初の頃の本を読んでいた。

          文面からも建築に対しての真っすぐな姿勢が感じ取れて、

          私自身もそんな気持ちで建築に対して向かえているだろうか、等と考えていた。

          今回は施工者の何気ない気持ちに触れ、

          建築主の良い完成を目指す気持ちも感じ取れて、

          私自身も身の引き締まる思いだった。

          設計者として出来る限りの力を尽くして、

          より良い完成を目指していきたいと思う。

          もう終わらないかもしれない

          2019.10.09 Wednesday

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            敷地外の下水管敷設に関していろいろと問題があると

            業者さんより連絡があり、現場打合せを行った。

             

            敷地近くの歩道。

            敷地から最終接続桝まで約60m程度あり、

            何か所か試掘して地中状況を調べた上で

            関係課とやり取りをし、申請は下りている。

            ただ、業者さんと現場で打合せすると

            試掘した以外の所で水道管、ガス管、電気配線等が

            場当たり的に施工されており、複雑に上下左右に入り乱れている。

            役所からは新設する下水管は基本的に真っすぐ通すように指導があったが、

            現状の状況からするとそれが難しい。

            そこで、担当課にすぐに連絡を入れ、急遽、業者さんにも同行してもらって

            打合せをすることになった。

             

            役所に着き、担当者と打合せを行い、

            現状の説明を口頭と写真を見せながら行った。

            業者さんからすると地中の埋設物がある以上、下水管を敷設する位置は

            これ以上どうしようもないが、予測していた通り、

            ある程度は理解してもらったが、一部、既存の構築物や配管をやり替えてでも

            計画内容を修正するように指示があった。

            さらにそうなると舗装復旧の面積も当初の1.5倍程度に増えることになる。

            主に役所と業者さんのやり取りで、約1時間程度の打合せだったが、

            お互い譲らず無言の時間が長かった。

            私は散々このやり取りをしてきているからどんな結論になるかは予測できたが、

            私の方もほぼ無言でやり取りを見守った。

            ただ、設計者も施工者も役所の指導を無視することはできないので、

            結局、役所の指導を飲み込まざるを得ないことになった。

            しかし、そうなると当初見込んでいた予算からまた増額となる。

            元々、役所の指導に基づいてこの下水管も新設することになり、

            大幅な増額工事となったが、さらに増額となる。

            そして、この担当課にはすでに1年半以上通っているが、

            また申請の修正が必要となることになる。

             

            役所との打合せが終わり、いつもの帰り道で

            この申請はもう終わらないかもしれないと思えた。

            建築主の言い分も分かる。役所の言い分も分かる。

            施工業者の言い分も分かる。

            ただ、それぞれの中間にいる私がそれを解決に導くしかない。

            これだけ長期間携わっているから誰が悪い、これが悪い等はもう思わないが、

            解決しない限り、関係者それぞれが困ることになる。

            増額になる費用を私が負担することもできないし、

            役所の内規を私が変更することもできないし、

            施工業者の手間を私が負担することもできないが、

            設計者としてそれぞれの言い分を踏まえて、

            この問題を解決に近づけていくことはできると思うし、

            逆にそれしかできない。

            設計者として最後まで諦めずに当たっていきたい。