開発届出が立ち塞がる

2019.08.20 Tuesday

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    JUGEMテーマ:建築・設計・デザイン

    工事中の福祉施設は建物の完成が見えてきた。

     

    現場には大量にクロスが持ち込まれていた。

    職人さんは数人でパテ処理を急ピッチで仕上げていた。

     

    共同食堂の様子。

    建物の一番端の室だが、すでにクロスは張り終えていた。

    今月末までにはクロス工事も終わり、

    来月中旬頃には設備関係の設置も終わる予定とのこと。

     

    電気、水道、開発、現場監督、設計の各担当者で現場打合せ。

    設計段階の開発届出も完全には終わっていないが、

    施工するためにも開発に関わる届出関係がたくさんある。

    特に2車線の交通量が多い道路の工事をするには警察やバス会社へも

    書類の提出が必要とのこと。

    このひたすら書類を作成して、やたら時間がかかる仕組みはどうにかならないかと

    現場にいた全員が嘆いていた。

    設計段階でも施工段階でも開発届出に振り回され続けているが、

    どちらにしろ早く終わらせていくしかない。

     

    私はすでにプロフェッショナルなのだ

    2019.08.16 Friday

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      JUGEMテーマ:人生論

      もう少しで完成する案件の建築主から連絡があった。

      バルコニーは当初ウッドデッキで仕上げる予定だったが、

      最終的にタイルで仕上げることになっていた。

      工事も後半になってその設置のための土台部分に

      施工者から予期しない追加見積が上がってきたため、

      結局、断念することになった。

      建築主としては私が以前にウッドデッキからタイルに変更しても

      そこまで費用は変わらないと言っていたのに、

      何故、このタイミングで追加見積なのかが分からないという内容だった。

       

      私の方では原因ははっきり分かっていた。

      着工前後に最終タイル仕様に決定したため、

      仕上表の図面にはその旨、記載していたが、

      着工までに時間はなかったので、

      それ以上の詳しい図面はなかったこと。

      そして、その結果、設計の意図と施工の意図が食い違っていたことが原因である。

      ちなみにこのタイルは施主支給品であった。

       

      この「施主支給品」と「着工図完成後の工事中の変更」は

      数年前から私の悩み事だった。

      具体的に言うと、これに絡む内容で建築主と施工者の非がない場合は

      結局それに掛かる費用は設計である私が支払うことになる。

       

      「施主支給品」はその名の通り、施主が材料なり製品を直接支給することである。

      今はネットで何でも手に入るので、途中のマージンが掛からず、

      施工者に依頼するまでもないものは施主支給品にすることが多い。

      ただ、建築主が材料や製品を発注することは不慣れなため、

      私が手伝うことが多い。

      しかし、ネット上の聞いたこともないメーカーとのやり取りに

      私も慣れている訳ではない。

      通常は打合せで仕様を決めていき、その採用しようとする仕様を

      ネットや直接メーカーに確認しつつ、図面を作図していく。

      そして、施工者はその図面に基づき、見積を作成し、

      発注する段階ではその仕様のメーカーからの確認図面が設計の方に送られてきたり、

      メーカーからの質疑のやり取りを行ったり、そのサンプルを見た上で

      問題ないか等を確認した上で現場へ納品される。

      また、完成後に不良があったりしても施工者を通じて対応してもらいやすい。

      結局、施工者経由の方が何重ものチェック体制になっていたり、

      メンテナンス体制が手厚いのである。

      しかし、施主支給品となると、施工者の方でも判断できないので、

      チェックは設計者頼みになる。

      また何かあった場合も施工者を頼ることができず、

      一応携わった専門家である、設計の私が責任を負うことになる。

       

      そして、「着工図完成後の工事中の変更」だが、

      初回の要望聞き取りから計画内容の概要、大まかな仕様を決定した上で

      建築主との基本設計を完了する。

      そこからは細かな納まりの検討や

      作図することで見えてくる問題点等を解決しつつ、

      きっちり施工を行うための着工図となる実施設計が完了する。

      そして、その後、工事が始まっていき、

      図面との整合性を現場で確認しながら工事監理をしていき、

      建物が完成する、というのが、原則である。

      また、着工図を完成させる時に私は今までの打合せで使用した図面や

      建築主とのやり取りのメール等を全部、着工図と確認していく。

      この作業は早くとも数週間、長ければ1,2か月ぐらいかかる。

      そして、最終、その内容を建築主とチェックしていく。

      地味で骨の折れる作業だが、私自身、それはとても大切な工程だと考えているので、

      その作業は欠かせない。

      ただ、その作業を行うことでそこまでの時点での大きな抜けや

      大きな勘違いは過去ないので、正しいことなのだと思う。

      だが、問題は着工図完成後に変更する場合である。

      そもそも着工までに全ての仕様が決定することが稀である。

      そして、工事中に変更がなかったこともほぼない。

      建築主には必ず伝えるが、着工するとバトンが設計者から施工者へ渡る。

      具体的に言うと、設計側では建材をいつ発注しているかも分からないし、

      各業者の段取りがどの段階かを知ることができない。

      変更が可能かを施工者に確認すれば済むのではないかと思うかもしれないが、

      一番ネックなのが、工事が進んでいる以上、検討したり作図している時間は

      ほぼないのである。

      着工前の作業を考えると、一般道でUターンして寄り道していた車が

      高速道ではそんなことはできない状態と同じである。

      経験上、些細な変更だから問題ないと思って変更した内容でも

      巡り巡ってそんなことになるのか、と痛い目に遭うのは数知れない。

      ただ、ハウスメーカー等のように図面に印鑑を押させて

      後日の変更を認めないようなことはしたいとは思わない。

       

      話は戻って、その連絡頂いた建築主の内容は

      まさしく私がずっと悩んでいた内容だったので、

      ある意味、甘える形で日頃の疑問をぶつけさせてもらった。

      建築主が設計者から悩みを相談されても困るだろうなと思ったが、

      この人達ならそれを受け止めて

      何らかの答えを出してくれるのではないかと思えたからである。

       

      約2時間かけて書いた長文メールにその建築主から丁寧な回答があった。

      以下のような内容だった。

       

      いろいろな要望や変更に対応してくれた田中さんに感謝しています。

      ただ、田中さんが望まないような状態になることが多いのであれば、

      芯の部分はぶれずにやり方を変える必要があると思います。

      そして、私達はあくまで一般人で、田中さんは設計のプロだから

      そうならないように田中さんご自身が私達を導いていく必要があります。

      そんな内容だった。

       

      そのメールを何度も読みなおし、

      私自身が日頃仕事をする中で思うことをメモしているが、

      それも読みなおしているうちに答えが見えてきた。

      結局、原理原則通りに設計をしていくこと、が大切だと思った。

      どんな建築主にも最初の方に完成までの工程表を渡すが、

      必ず言われるのが、そんなに時間がかかるんですか、である。

      2階建て木造戸建て住宅で、基本設計に3か月、実施設計と確認申請に3か月、

      見積調整と工事段取りに2か月、建築工事に5か月前後の

      トータル13か月程度である。

      私自身も完成までに1年以上は長いと思うが、

      実際はこれでも足りないことがほとんどである。

      仕様も決まっていて、建築主もこだわりがそれほどないのなら、

      8か月程度でも可能だと思うが、設計事務所に依頼するということは

      建築主のこだわりが強いということだから、

      より長い工程にならざるを得ない。

      また、どの案件も共通だが、お会いした時点で完成を急いでいる。

      さらに工程を提示されて1年以上と聞かされればもっと早く完成できるのではないかと

      思うのが当然かもしれない。

      だが、上記の通り、実際打合せが始まれば、本来は最初の基本設計で

      建築主との打合せはほぼ概要だけでも終えておかなければ、

      その1年後の完成ですら危うい。

      完成時期を早めて、基本設計に時間をたくさん使えば、

      その他の工程にしわ寄せが行く。

      ただ、その他の工程も決して余裕を持った工程でもないので、

      結果的に無理やり基本設計を終え、実施設計をしながら基本設計の残りを行い、

      着工する段階でもまだ基本設計をしていたりする。

      原理原則からすればすでに破綻している。

       

      以前に勤めていた住宅会社では仕様がほぼ決まっていたが、

      打合せ期間も4か月、打合せ時間も2時間と決まっていた。

      決まってはいたが、実際打合せをすると、

      打合せ内容の飲み込みが早い人もいれば

      こだわりたいけど、何をどうすれば良いのか分からない人もいた。

      特に後者の人には私の独断で2時間ではなく、

      その人が納得するまで打合せを行った。

      同じ話を2回、3回することになっても分かってもらって

      納得してもらうまで何時間でも打合せを行った。

      住宅業界は分かっているようで分からない家のことを扱うので

      別名クレーム業界とも呼ばれている。

      そんなやり方が良かったのかどうか分からないが、

      部下のクレーム処理には何度もいったが、

      自分の案件のクレームは受けたことがなかったので、

      時間はかかってもそのやり方が正しいのだと自信を深めた。

      実際、独立後は原則、こだわっている建築主ばかりなので、

      1回の打合せも平均すると4時間ぐらいしているのではないだろうか。

      また、打合せ期間や打合せ時間は自分の裁量で決めれば良いから

      建築主が納得するまで行った。

      ただ、唯一ネックなのが、どの建築主も完成を急いでいるということである。

       

      今回、建築主から頂いたメールで思ったが、

      設計のプロとして仕事をし、

      建築主に寄り添って良い建物を設計しているつもりが、

      知らないうちに一般人である建築主と同じ目線で設計を行っていることに気付いた。

      完成を急いでいるならそれに合わせます、

      その仕様が決めきれないなら工程とは違いますが工事中に再検討しましょう、

      今日はこれだけの内容を決めないと完成時期がずれる可能性もありますが

      しょうがないから次回打合せまでになんとかしましょう、等。

      それはそれでしょうがないし、その姿勢自体は間違っていないが、

      プロフェッショナルとして設計をしているなら、

      工程の今、我々はどこにいるのか、

      そして、その決定を延ばすことはどのような結果になるのか、等の

      設計のプロである私からしか伝えられないことを十分に分かってもらう努力が足りなかった気がする。

      決して、伝えなかった訳ではないが、私がプロで建築主は一般人という認識ではなかった。

      同じ目線で普通のことを言っているのだから伝わっているものだと思っていた。

      ただ、改めて一般人とプロの立場を言われて、

      ちゃんと説明はしていたけど、ほぼ伝わっていなかったような気がした。

      そう、私からすれば設計、そして、建築のプロフェッショナルとして日々の仕事はしているが、

      自分の理想とするプロフェッショナルになるにはまだまだ努力が足りないと思っていたが、

      一般人である建築主からすればすでに十分、プロフェッショナルにしか見えないのだ。

      寄り添う姿勢はそれで良いかもしれないが、

      そもそも立ち位置が違うのだからこちらが普通に話していることも

      分かってもらえるという前提ではなく、指導していく立場なのだ。

      結局、自分で良かれと思っていたことが自分をどつぼに落とし込んでいたのかもしれない。

      立ち位置が違うからこそ、それを気付かせてくれたのかもしれない。

      手を抜かずに地道に行うことが最近の目標だったが、

      それに加え、設計・建築のプロフェッショナルとしての原理原則を前提とすることで

      ここ数年の悩みは解消されるのかもしれない。

      今月2回目の完成写真撮影

      2019.08.10 Saturday

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        今月2回目の完成写真撮影を行った。

        建物自体は約1年前に完成していたが、

        ご主人が外構の仕事をされており、

        ご自分で行うとのことだったが、

        かなりの忙しさだったらしく今年の春に外構が完成した。

        1年目点検も兼ねて、撮影させて頂いた。

         

        建物外観。

        白い外壁にレッドウッドを一部張っている。

        海をイメージしての建築計画だったが、

        外構も完成して、よりそのイメージに近づいたように思った。

         

        建物内観。

        お子さんが多く、1年経ったので、壁等はかなり汚れたりしているかなと思ったが、

        実際は完成時とあまり変わっていないことに驚いた。

        ご主人と話すと、壁も必死に拭いているとのこと。

        完成後も建物を大切にされていて、

        設計した私からするとその気持ちがうれしかった。

         

        夕景の建物外観。

        空があまり見たことのないような色で

        なんとなく建物の雰囲気と合っていた。

         

        今日は合わせて1年目点検を行ったが、

        完成時には分からなかった補修内容がいくつかあった。

        後日、その補修と完成写真を渡すため、連絡する予定。

        写真の仕上がりが楽しみだ。

        完成前夜

        2019.08.09 Friday

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          約2年前のプロポーザルから始まって

          愛媛へ通う時間も残りわずかになってきた。

          今月末には建物は完成し、完了検査を受ける予定なので、

          その直前の現場確認を行った。

           

          足場が外れて外観の全貌が見えた。

          遠目から見ても、おっと思わせる外観で良い仕上りだと思う。

           

          今回一番気になっていた壁内の土台が湿っていた部分。

          壁内に手を突っ込んで、土台を触ったが、水気はなかった。

          いろいろと試して、結露が原因ということで対策をしたが、

          それが功を奏して解決したので、ほっとした。

          ただ、1年後の梅雨時期も再度確かめて、同じ状態になっていないか確認したいと思う。

           

          玄関戸、バルコニー手摺、洗面カウンター等の設置状況。

          設置すべきものはほぼ設置し、最後の仕上げを行っている状態だった。

          補正すべき部分は多少残っているが、きれいな仕上りだった。

           

          壁をOSBで仕上げた倉庫。

          当初は石膏ボード素地で、その後、塗装仕上げ、クロス仕上げと変更を重ねた。

          最後はOSB仕上げとなったが、迷った甲斐がある仕上りだった。

           

          今までは工事途中でもかなりの打合せ項目があったが、

          今日はいくつかだけの項目だった。

          今月末には完成だが、ここに至るまでは長い道のりだった。

          今だから言えるが、本当はこういう打合せの進め方が良かったのではないか、

          こんな提案もできたのではないか、と思う部分もあるが、

          あくまで今だから言えるのであって、

          ここに至るまで建築主も設計である私も無我夢中で駆け抜けてきたような気がする。

          実際は、家は3回建てないと、という言葉があるように

          住み始めたら建築主もいろいろと思う所は出てくるかもしれない。

          ただ、建築主も当初から熱い気持ちで建物への思いを語り、

          また、真剣に打合せに臨んでくれた。

          私もその建築主の言葉に真摯に耳を傾け、

          その熱い気持ちを上回るぐらいの気持ちで対応してきた。

          細かいことを言えばきりがないかもしれないが、

          そのお互いの真剣なやり取りの末の完成した建物だから、

          それはそれで正解なのかもしれない。

           

          建物の完成でいったんは私の仕事が完了するが、

          建築主はそれからがある意味、次のスタートである。

          引っ越しの段取り、カーテン等の設置、行政への届出、ローンの支払い、

          何十年という完成した建物との付き合いが始まる。

          その思いや重みを私自身がきちんと感じつつ、

          スムーズに建築主が次のスタートを切れるように

          最後まで精一杯がんばりたいと思う。

          急遽の打合せ

          2019.08.08 Thursday

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            福祉施設の現場の監督から外構関係でいくつか確認したいので、

            現場打合せをしてほしいとの連絡があった。

            私は特に盆休みらしき休みはないが、

            明日明後日と終日の予定が入っており、

            その翌日からは施工者の盆休みが始まる。

            そのため、打合せがかなり先になってしまうので、

            急遽、今日現場打合せすることになった。

             

            外部仕上げも終了し、足場も全て撤去されていた。

             

            内部で畳の寸法採りを職人さんが行っていた。

            木下地も完了し、あとはクロスを張っていくのみという感じ。

             

            現場へ着くと現場監督と外構業者が待っていた。

            早速打合せをすると図面や今まで説明してきた内容が

            十分に伝わっていない所もあり、

            かつ、見積調整で変更になった所の認識のそれぞれのずれもあったので、

            改めて、計画内容や見積内容を確認していった。

            毎回思うことだが、図面をしっかり書いて、

            変更になった所や注意すべき所をメールや電話で連絡しても

            やはり面と向かって話さないと人同士はやり取りが難しい。

            ただ、その直接のコミュニケーションの良い所はその場で

            いろいろと話すことができるので、

            以前に決まっていた内容のより良い改善案も出てきた。

            水道や電気と絡む内容なので、

            盆明けに再度打合せをすることになった。

             

            クロス工事待ちの内観。

            建物本体は今月末には目処が付いてきそうだが、

            やはり開発届出で苦しんだ外部でまだ時間がかかりそう。

             

            外構業者にも言われたが、この役所は他の役所に比べてかなりややこしいらしい。

            いろんな設計者からも同じことを言われ、

            他の施工者からも同じことを言われたので、きっと本物なのだろう。

            また、今後この自治体で開発が絡む設計を行う時は

            他の設計者に頼んだ方が良いかもしれない。

            それでも、かなり苦しんだ分、いろいろと勉強になった部分もあるから、

            きっと今の私にとって、必要な流れだったのだろうと思う。

             

            明日は朝7時のバスに乗らなければならないが、

            今日の打合せの返しとその他の内容を各方面にメール送付しておかないと

            盆休みがすぐに来てしまう。

            空がしらんでくる前には寝たいが、寝過ごさないことを祈る。